https://news.yahoo.co.jp/articles/c4461393061703a88e6b21238e937f51ab5297ea
広島で入市被爆し70年後に亡くなった女性の体内から、死後原爆由来の放射線が検出され、さらにその周辺で「デスボール」と名付けられた細胞の空洞が確認されたことが長崎大学の研究でわかりました。
【画像を見る】被爆者の体内で見つかった「デスボール」
■「70年間」体内に留まり続けたウラン
論文は今月、国際学術誌「Heliyon」の電子版に発表されました。発表したのは、長崎大学大学院の七條和子医学博士らの研究グループです。
研究対象は、広島で原爆投下の3日後に入市被爆した当時8歳の女性で、78歳で口腔咽頭がんのため亡くなり、肺がんも併発していました。女性の死後、親族から内部被ばくに関する研究の申し出があったということです。
七條氏が写真乳剤を使って放射線の飛跡を捉える方法で確認したところ、女性の肝臓や肺からは、広島原爆に使われたウラン235と考えられる「アルファ線」が検出されました。
■異常な細胞の空洞「デスボール」確認
さらに、女性の肺がんの組織内では、細胞が死滅して円状に抜け落ちたような空洞が複数確認され、七條氏はこれを「デスボール」と名付けました。
空洞の大きさが放射線が届く距離のほぼ倍であることから、被爆後70年間体内に留まったウランの微粒子が四方八方に放射線を出し続け、周囲の細胞を破壊したと推察されています。
■「内部被ばくが手ひどい影響を与えている」
共同研究者・高辻俊宏長崎大学名誉教授
「デスボールができているということは(アルファ線が)かなりの数飛んでいると。内部被ばくが手ひどい影響を与えているんだという1つの例が示されたと」
■国の評価基準は「誤差の範囲内」
広島と長崎に落とされた原爆の放射線の影響は、国の評価基準では爆発直後に出た「初期放射線」のみとされ、それ以外の被ばくは「誤差の範囲内」として扱われています。これに対し研究グループは、放射性微粒子による内部被ばくが発がんに関与した可能性があると考察しています。