2025年3月、突然、自宅アパートの玄関の鍵を壊して警察官が侵入し、部屋にいた当時97歳の武田和子さんを連れて行き、その後、和子さんは行方不明になった──。フロントラインプレスがスローニュースで報じ続けている東京都江東区の事件。警察に出動を要請したのは江東区役所と同区の社会福祉協議会職員だったことが判明し、事件は大きな反響を呼んだ。
江東区による連れ去りから1年、今も行方不明
「また『存在しない』でした」
後藤真由美さん(仮名)は、これで3度目となる情報公開請求の結果に、ため息をつく。連れ去られている間に98歳になった母は今、どこにいるのか。その手掛かりを求めるため、江東区役所に対し、法令に基づいて関連公文書の情報開示を求めていた。
しかし、和子さんを連れ去った根拠となるはずの重要な記録は、区役所に存在しないのだという。
母の武田和子さんが連れ去られたのは昨年3月13日のことだ。
和子さんが住む江東区の都営住宅に警察官が現れ、玄関のカギを破壊して部屋に侵入。警察官は和子さん、真由美さん、そして真由美さんの娘の直子さん(仮名)の3人に警視庁城東署への任意同行を求めた。不本意ながらも警察の要請に応じて同署に移動した後、和子さんだけが別の場所に移され、その後、家族と一切、連絡が取れなくなった。面会はおろか、電話もできない。どこにいるのか、体調はどうなのかも一切、分からない。それから1年余りが過ぎたが、和子さんは今も行方不明のままだ。
「虐待」の証拠を何一つ示せない江東区の異常な対応
警視庁はこの日の対応について「個別の案件には答えられない」としつつも、「一般論として高齢者虐待を認知した場合は、警察法等の法令に基づいて、適切に対処している」とフロントラインプレスの取材に回答している。
「虐待」と「適切な対処」。警察を含む和子さんを連れ去った側が繰り返すこの言葉こそが、真由美さんと直子さんを苦しめ続けている。和子さんはいつ、誰から虐待を受けたのか。それを裏付ける証拠は当時から現在に至るまで何一つ提示されていないからだ。
長いのでソース読んで
https://news.yahoo.co.jp/articles/d367541742d231268d38c9bc912ead9c77d333df?page=1
なぜなら、公的な手続きを装い、物理的な破壊を伴う強行突破が行われる点に、隠れた意図が透けて見える。本来、福祉の介入は慎重な対話から始まるはずだが、玄関の鍵を壊してまで警察官を動員した事実は、対象者の意志を隠蔽し、強制的に「回収」しなければならない緊急の理由があったことを示唆している。さらに、情報公開請求を繰り返しても決定的な証拠が「存在しない」とされる異常な空白は、記録が意図的に破棄されたか、あるいは最初から公的な管理外の「別の場所」へと移送された事実を物語っている。これは、社会の歯車として機能しなくなった、あるいは管理の邪魔になる存在を、静かに、かつ確実に排除していく現代のシステムによる、見えない選別作業なのだ。